10月18日(火)

【県と市】

 

特に、浜松の合併を促進するために政令指定都市の人口要件が、100万人から70万人となって以来、全国に政令指定都市化のブームがおきました。

もとはといえば、都市部において、行政予算を投下するよりも、民間投資がどんどん行われ、規制緩和もどんどん行われ、都市は、どんどん元気になるというイメージなのですが、実際に起きたのは、人口を合わせるための無理な広域合併でした。その結果、中山間地域や農村部、災害対策などの課題を一挙に抱え込むことになりました。都市に人やモノや情報を呼び込み、投資が投資を呼ぶということで、それを地域の防災対策にあてて、バランスをとるような、もともと均衡ある市域の発展というのは、テーマとは言えませんでした。

しかも、県と同じような課題で、都市部からインフラ整備が延びたという話も、厳しい財政状況の中で、なかなか起きてきません。かえって、コミュニティバスやデマンドオンタクシーのように、公共交通は、より財政事情の中から現実的なものとなり、むしろ、政令指定都市というよりも、県と町村の関係ですんでいた話も、市経由だと優先順位は、高くなりません。

 

個人的には、【佐藤真治のこころ】に、書き溜めているように、日本中の新しい政令指定都市の調査に行きました。どの都市も、山間地域や農村部との広域合併で、新潟以外は、都市の風格も感じられませんでした。

そして、新潟の県議からは、「政令指定都市となれば、その選出の議員は、皆、地獄に落ちますよ」と言われたのが、印象に残ります。

そして、それは、あながち間違いではありませんでした。いつのまにやら、県議会議員は、市の主催の行事に案内すら頂けなくなっていました。来賓挨拶の順番などは、気になりませんでしたが、一生懸命、岡山市を政令指定都市にしたら、公的に岡山市選出の議員とすら認められないのが、思い切りプライドをズタズタにされました。

あんなに頑張ったのに、功労賞ひとつ頂戴できるわけではありませんでした。

 

私自身は、ひとたび動き始めた政令指定都市の流れを止めるべきではないと思いましたし、やるからには、日本に冠たる歴史、文化、産業、医療保健福祉を持ちながら、どこまでも、心通うあたたかい街、岡山を目指したいです。

そもそも、私は、生粋の岡山市民です。岡山市を愛しています。

岡山市民だけど、岡山県民だなんてありえないのです。馬鹿にするなと強く申し上げたい。

ただおそらくは、政令指定都市岡山市にふさわしい岡山の顔を作ろう、政令指定都市にふさわしい文化、芸術力を発揮しようと、にぎやかな議論は目に付きますし、しばしば政治も絡むようですが、本来なら4区それぞれに描く街づくりや交通体系の話など、緒についたばかりです。

特に、どの地域も、防災体制が甘く、根本にすえるべきことは、はっきりしています。

まして、広域防災となれば、県との密な連携が避けられないのですが。

 

今は、成人したての若者が、自分でやれることだと,敢えて煩わしい県の手を離れて、

いろいろチャレンジをされている時期で、ある意味、広域で、各市町村と協定を結んで、

地方振興局経由で、予算立てしてでは、間に合いません。また、都道府県を越えた都市連携など、県は、阻害要因かもしれません。

今後、県の施策は施策として、市町村は、その指導を待つことは、なくなるかもしれません。もともと、対等、協力関係なのだから。

 

いずれにせよ、教育再生と産業振興という県の中心テーマについては、広域補完行政なのかを含めて、市町村の喫緊の課題とずれている可能性があります。いわんや、政令指定都市やそれと連携する都市の流れも止まりません。

 

気がついたら、県は、なかなか自立のできない市町村の応援がメインになるかもしれませんし、都道府県を越えたより広域の行政に活路を見出すべきです。

残念ながら、県と市は、離れていきます。災害対策で、問題にならないように。

 

 

そして、はっきり言えるのは、やはり道州制の議論しかありません。

 

また、政令指定都市で、市議会議員選挙のように、県議会議員が、区ごとに選挙する理由がわかりません。一部合区して、定数を減らさない限り、今後も、市議会議員の先生からも、優しくは扱って頂けないでしょう。