11月6日(金) 夜明けに見送られて 有田・松浦鉄道 武雄市図書館
委員会は佐賀駅前泊まりなのに、朝6時の時点で既に、唐津線、長崎本線、佐世保線と乗り継ぎ、有田から戻り、武雄市図書館を外から見てみようと考える私は、なんぼかあほかもしれんなと思う爽やかな朝です!♪ヽ(´▽`)/ むっちゃ楽しい!!
唐津線で、鍋島。
長崎本線で、肥前山口。
佐世保線で、有田へ。
≪松浦鉄道≫
松浦鉄道株式会社は、長崎県・佐賀県で旧国鉄特定地方交通線の鉄道路線西九州線を運営している長崎県・西肥自動車などが出資する第三セクター方式の鉄道会社である。沿線の住民などから、MRやMR鉄道の愛称で親しまれている。
1988年の開業以来、会長を長崎県知事、副会長を佐賀県知事、社長を佐世保市長が務め、佐世保の主要財界人が軒並み役員を務める体制で運営されてきた。駅数を32から57に増やし、列車の運転間隔も15 – 20分おきにするなどの工夫により、2000年度まで黒字経営を維持。沿線に高校や病院が多いことも幸いし、「三セクの優等生」と言われていた。
だが、沿線自治体は佐々町を除いて過疎化が進行しており、利用客は1996年の年間442万人をピークに減少。2001年以降はついに赤字経営に陥った。このため、長崎・佐賀両県と沿線市町は2006年度から8年間で23億円を支援することを決定した。なお、この際に「支援する側の自治体と、される側の経営者が同一なのはおかしい」との議論がおきたため、両知事と佐世保市長が役員を退任し、民間出身の社長が就任している。
2006年末現在、具体的な廃線議論は起きていないが、沿線自治体の財政力ではさらなる支援は困難と見られ、支援が切れる2014年以降の経営存続が大きな課題となっていた。2013年10月に、2014年度からの10年間で沿線自治体からの総額約15億8千万円の支援が決定し、運賃の値上げや観光路線の強化、商業施設の誘致により赤字を圧縮できる仕組みを進めていき、地域の交通インフラを整備していくことになった。
2009年には、長崎スマートカードを導入したい意向を示し、2011年3月12日から利用が開始された。各車両にカード読取装置を設置の上、各有人駅で長崎スマートカードによる回数券と定期券を発売している。なお、長崎電気軌道と同様に車内でのセルフ積み増しは可能だが、松浦鉄道ではモバイル長崎スマートカードは使えない。
武雄温泉駅
≪武雄市図書館≫
武雄市図書館は、佐賀県武雄市が条例で設置を定めた複合施設、武雄市図書館・歴史資料館の通称。同施設のうち、とくに図書館部分を指す通称。同施設に置かれた、音楽・映像ソフトレンタル及び書籍・雑誌販売を営む蔦屋書店の店舗名である。
2012年5月4日、武雄市は書籍・音楽ソフト・映像ソフトのレンタル・販売店大手チェーン「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)を当館の指定管理者にすることが発表された。民間の書店である代官山蔦屋書店を手本にすることが特徴で、蔵書数20万冊、年中無休とし、開館時間を9時から21時に拡大し、貸出カードを同社が展開する「Tカード」または新たに発行する「図書利用カード」いずれかの選択制とした(事前登録・更新では約3400名中95%の利用者がTカードを選択)。図書貸出有効期限はどちらも発行日から3年。Tカードの場合には貸出時にTポイントを付ける。また2012年8月14日、コーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」を出店することも発表された。図書館内の座席では館内で購入した飲料や、持ち込んだ水筒(スターバックス店内には持ち込み不可)に入れた飲料などを飲みながら図書を閲覧できるようにした(食事は不可)。 蔵書の自動貸出機への対応や館内の改修のために、2012年11月1日から2013年3月31日まで休館した。
この事例を全国的に「新しい図書館のロールモデル(手本例)」にする意向を、樋渡は繰り返し表明している。そのため、図書館の新たなロールモデルが実現するか、議論の行方が注目される。
なお、樋渡は「貸出情報は個人情報には当たらないというのは僕の持論」、図書館の自由に関する宣言も「一般社会には何ら法規性はない」とブログ等で述べており、構想発表当初に掲げていた「(図書館利用券の)Tカードへの完全移行(=貸出履歴のカルチュア・コンビニエンス・クラブ社への蓄積)」は選択制に変更したが、現状においても95%の利用者の「貸出履歴が一民間企業に(ビッグデータとして)蓄積される、日本初(世界初)の公設公共図書館」である。紳士協定として全国的に機能し、図書館利用の無言の前提として機能していた「図書館の自由宣言(特に読書の秘密を守ること)」を無効にした施設である点において「近現代図書館史の一つのターニングポイントにもなりえると注目されている。
また、公共図書館としての機能と書店としての機能が混在した、CCCを指定管理者とする公共図書館(一方の当事者であるCCC社長・増田宗昭は、武雄市図書館を「本のレンタル屋」と表現した。話題になったしばらくして後に該当部分を修正])では無料の飲み水が提供されなくなったことに関して、婦人会で「千円図書館」だと話題になったことが、平成25年6月10日の武雄市議会本会議の一般質問で紹介されている。
資料収蔵や図書貸出の場といった従来の図書館像にしばられない「新・図書館構想」を掲げ、CCCが初めて企画・運営に取り組んだ図書館となった。ところが、2014年4月にリニューアルオープンする際、本や人気作品のDVD、佐賀県の郷土文化誌などの合計8760点を除籍、廃棄処分し、その代わりに10年以上前のExcel解説本や公認会計士受験本、埼玉観光ガイドなどが大量に購入され、「併設されているTSUTAYAへの配慮」「TSUTAYAの在庫処分」ではないかと話題になった。
以上の点等より、図書館というより「公設民営のブックカフェ」との見方もある。
2013年4月のリニューアルオープンにむけて購入された本には、1997年度版『ラーメンマップ“埼玉”』2巻(全国から埼玉のみに集中したうえ、シリーズから2巻、4巻、5巻、6巻、8巻、9巻、10巻、11巻のみ購入)、『公認会計士第2次試験“2001”』(2001年刊)、『エラーが分かるとWindows98/95に強くなる』(1999年刊)、『パソコン検定試験“P検オフ”99』(2004年刊)、『食べてやせる寿司ダイエット』(2008年刊)、『男のダイエット』(1999年6月出版)、『世にも美しいダイエット』(1994年刊)、『息するだけダイエット』、『3分で金運がついた。』(2004年刊)、『最強マフィアの仕事術』(2001年刊)、『運が開ける姓名判断』(2005年刊)など刊行が古く実用性に疑義のあるものが含まれ、これら用意された1万冊(約1958万円)については、すべてCCC傘下の『ネットオフ(現・リネットジャパングループ)』から購入。CCC側は、「購入はネットオフからでありツタヤの在庫処分ではない」「ネットオフはツタヤやCCCのグループ企業ではあるが在庫数の規模から選んだだけ」と回答している。
多くの懸念が出された発端でもある、2012年5月8日の新図書館構想発表の記者会見(発表側によるネット中継あり)での、樋渡と高木浩光の質疑応答では、新運営方針に関し、大々的にぶち上げるが「肝心な部分に関して事前に熟慮がなされていないということが露呈」した。
日本図書館協会は「指定管理者制度導入の理由」「指定管理者制度導入の手続き」「図書館サービスと『付属事業』について」「安定的な労働環境(開館日増加・開館時間の延長と経費節減による図書館員の労働環境の問題)」「図書館利用の情報(Tカード・Tポイント導入による図書館利用に関する個人情報の取扱いの問題)」「図書館利用へのポイント付与(Tポイントを付与することの行政サービスとしてのあり方)」の6項目に関して疑問・懸念を表明した。これに対し、樋渡は自身のブログ「武雄市長物語」に「日本図書館協会の見解は対案無しの荒唐無稽だ」というタイトルで住民・所属組織のサーヴァントである図書館員に対案を求めるという、無理な反論を表明している。
図書館問題研究会もTカード・Tポイント導入による個人情報の取扱いの問題に対して懸念を表明している。
日本文藝家協会は5項目からなる「図書館業務の民間委託についての提言」を発表した。この発表自体は武雄市図書館を直接名指ししていないが、提言の1つに「貸出に対してポイントサービスなどの営利企業のシステムをもちこまない」があり、武雄市図書館の新方針に対する発表であると報道されている。著作権の権利者団体である日本文藝家協会の提言に対し、樋渡はtwitterで「論外」「荒唐無稽」と発言している。
日本書籍出版協会は「武雄市図書館に関する質問書」を樋渡に提出した。文藝家協会と同じく、MY図書館の懸案である著作権処理について考える際、欠くことのできない相手であるはずの書籍出版協会に対し、武雄市役所は回答したがその際、樋渡は「オープン1か月を切って、何を今さらと思うんですが、それはそれとして、こうやって関心を持ってくださることはとても良いことだと思います。地方にとって、無関心は最大の悪。そういう意味では、日本書籍出版協会(初めて聞きましたが)のご質問はありがたく思います。二の矢、三の矢、お待ちしています。日本の書籍出版の発展のために頑張ってください。僕らも応援します」と無用の反発心を煽るコメントを付けた記事を、自らのブログで公開した。
図書館利用者で、市民有志の「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」は、上記の流れを受け、市図書館の独自改革案と公開質問状を市議会議長に提出している。
また、全国に点在する図書館ボランティアの集まる団体、「図書館友の会全国連絡会」は、この問題に関して樋渡の独断的手法まで踏み込んだ声明を公表した。